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【書評】非常識な成功法則 ~神田昌典 著~

はじめに

 

これから紹介する本は、日本一のマーケターとも呼ばれている経営コンサルタントの『神田昌典』氏が書いた【非常識な成功法則】です。

神田氏のウェキペディアはこちら。

初版は2011年。今からちょうど10年前に発売された本になります。

最近、SNS等で若い方から様々な質問や相談を受けるため、うまく“道しるべ”となるような言葉が欲しくて、昔まだギラギラしている時に読んだ本を再度購入しました。

今読み返すと当時とは全く違う感覚が芽生えたのと、かなり共感する部分があったので、是非読んでもらいたい本です。

表紙も変わっていましたが(笑)

 

では、ほんの一部になりますがどんな本なのかを紹介していきたいと思います。

 

~序章~ 成功は「悪の感情」から始まる

 

よく本屋で売られている“成功本”や“自己啓発本”にかかられている常識的な成功法則は下記のとおりです。

 

「人に役立つことをしていれば、お金は後からついてくる」
「謙虚でなければならない」
「本当に大切なのはお金じゃない」
「人との出会いを大切にする」

 

しかし著者である神田氏は、この常識的な成功法則は凡人には役に立たないと言っています。

なぜなら、多くの成功法則は成功者が自分に言い聞かせるものであるからです。

まともな成功者が一番恐れるのは、傲慢になり、天狗になってしまうことです。だから自らを律するために・・・

「常に謙虚が大切だ」とか「お金で幸せは買えない」などとありきたりの言葉を唱えているわけです。

神田氏はあえて凡人という言いかたをしていますが、彼らにとってしっかり稼ぐことが必要な時期に、「お金がすべてじゃない」と言われても気休めにしか聞こえない。かえってこの常識的な成功法則はマイナスになると言っています。

結局、成功者が唱える成功法則のなかには、成功した人がさらに成長するための法則が多いのです。

確かに、僕も昔を振り返ってみると不動産業界に入ってしばらくは、儲けることだけに徹し、謙虚からは程遠い傲慢さをさらけ出して稼ぎまくっていました。

では、凡人が裕福なるにはどうしたらいいのでしょう?

 

凡人から脱するための2ステップ戦略

 

短期間で財政的な成功を収めるための2ステップがあります。

 

①悪のエネルギーを活用して短期間で金銭的に安定軌道に乗る。

②その後必死になって、心の面でも豊かになるように努力する。

 

悪のエネルギーとは、『嫉妬』『敵対心』『ミエ』『虚栄心』等の悪の感情のことで、一般的には持ってはいけないとされているマイナスな感情のことです。

ところが、“悪の感情”は非常にエネルギーが高く、金銭的な成功に至る道のりでこのようなマイナスの感情のエネルギーを活用している成功者は多いのです。

例えば、「子供時代は貧乏だった」「学生時代成績が良くなかった」「将来はベントレーに乗りたい」などのコンプレックスや欲求を力に変えることが大事です。

そして、お金を稼げるようになったら、今度は必死になって心を磨くのです。

心を磨くということはどういうことかというと、「謙虚さ」「感謝の心」を勉強していくということになります。

この流れで凡人が成功できると神田氏は指摘しています。

この序章を読むだけでも価値がある1冊だと思います。

 

 

 

目標を紙に書くと実現する

 

実はこの『目標を紙に書くと実現する』ということが、この本のメインテーマになっています。

ただ普通に紙に願望を書くだけでないところが、この本の非常識になっていますので後ほど紹介します。

色々な成功本の中にも、手帳に夢を書くと実現するとかありますね。

メジャーで活躍したイチローさんの小学校6年生の時に書いた作文には、

「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです。そしてその球団は中日ドラゴンズが西武ライオンズです。ドラフト入団で契約金は1億円以上が目標です。」

と書いていた話は有名です。

現在二刀流としてメジャーで活躍している大谷翔平選手が高校時代に書いた目標達成シートも様々なところで紹介されていますね。

 

 

 

やりたくないことを見つける

 

かなえたい目標を書く前にやってほしいことは、「絶対にやりたくないこと」を書きだすこととしています。

なぜなら、やりたいことを書けと言われても、見つからない人も大勢いるからです。

そこでこの本では逆のアプローチをとります。

 

やりたいことを探すのではなく→やりたくないことを明確にすることから始める

 

やりたくないことを明確にすることによって、本当にやりたいことが見つかる。

世間体、家族からの期待、友人・知人の常識などではなく、本来自分の心が求める本当の「やりたいこと」に光を当てることが重要だと言っています。

ちなみに著者の神田氏が独立当時に書いた「やりたくないことリスト」は下記のとおりです。

 

・お客にへこへこしない。
・在庫は持たない。
・アフターサービスが必要なものはしない。
・正社員は採用しない。
・身を減らすような仕事はしない。
・嫌な会社や人とは取引しない。等

 

また、「やりたくないこと」を明確化する前に「やりたいこと」を目標にしてしまうと悲劇だとも言っています。

なぜなら、「やりたいこと」の中には「やりたくないこ」が含まれているからです。

例えば・・・

 

目標を「会社を大きくする」ということだけにした場合。
嫌なお客と付き合わなくてはならない。仕事優先となり家族との休暇はほとんど取れない。その結果、子供や妻との会話もなくなっていく。
本当は家族を幸せにするために、と思ってやり始めた仕事が家族をバラバラにしてしまう。

 

というような状況に陥らないように「やりたくないこと」リストは作ってみるのも面白いかもしれません。

 

まとめ

 

ブログで紹介したのは、この本の序章と1章の一部に過ぎません。

このあとは、この本のメインテーマにもなっている『目標を紙に書くと実現する』という内容が、“非常識なテクニック”で紹介されています。

ちなみになぜ紙に書くと目標は実現するのかというと、

・脳が高精度なアンテナを張って必要情報を集め始めるから。

・毎日目標を眺めると脳はそれを必要な事柄と認識し。24時間自動で思考する。

などのメリットがあるそうです。

今の時代は、手帳やメモ帳よりスマートフォンなどに記録することが多いとは思いますが、この機会に“書く”という行為を再度考え直してもいいのかもしれません。

ありきたりの成功本に飽き飽きしている人はもちろんのこと、今の生活や仕事に悩んでいる方にもおすすめの本です。

是非読んでみてください。

 

著者プロフィール

Lidix

ライディックス株式会社 代表 山上 晶則

東京都で不動産会社を経営しています。
将来的に不動産経済がどうなるかは、あくまでも二次的な要因が大きいため、「国内外の政治経済や金融」、「異業種で成功している事例」などを分析することを得意としています。

このブログでは、現在の経済状況を自分なりに読み解き、時代に合った経営や様々な投資、そして、「何かに依存しない生き方」を求めて日々勉強している内容をアウトプットするために書いています。



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